へーびーろーてーしょん

とあるアミュオタの思うこと考えることをつらつらと。全てイチ個人の意見です。

上弦の捨霧もいいぞ!という話。~髑髏城の七人~

2017年末、「髑髏城の七人 Season月」下→上の順で上弦下弦共に観て参りました。

その後、このネットの波に散らばる様々な感想を読みまして、なるほどな~と考えを深めていた訳なんですけども。一つ!上弦の捨霧の関係性についての感想考察少なくない!?

・・・私が見つけられてないだけなのかな。心優しきどなたかいらっしゃいましたら教えてください。あとこのブログにも感想お待ちしてます。まあわかるよ、わかりますとも天蘭の話ばかりしたくなるのは!二人とも闇も沼も深いもん。。。下弦の捨霧が身長差年齢差二人の関係性諸々理想的で萌えるのもわかる!!(とは言っても上弦霧だって身長167で低めなんだよ)でも私個人の好み的に上弦の捨霧の素晴らしさについて語りたいんだ!他の人の意見も聞きたいんだ!!とりあえず足りてないなら自分から、ということで上弦の捨霧もいいぞ!というお話をしていこうと思います。とか言いながら結局上弦の話も下弦の話も両方してるしちょこちょこ他キャラの話も出てきてるけど。ちなみに私は上弦で霧丸を演じる平間壮一くんを推しております。なので基本贔屓目かと思いますが悪しからず。きりちゃん定点カメラになりがちだからこその捨霧推しですたぶん。あとこの流れで先に宣伝?しておきますが下弦で同じく霧丸を演じる松岡広大くんは平間くんと同じ事務所の後輩!W霧丸をこれからも何卒よろしくお願いします!!!!!(誰)少しでも気になった方いらっしゃたら是非!平間くんはこの夏ミュージカルGHOST出演いたします!あのろくろのやつのミュージカル版だよ!(紹介が雑)松岡くんはまだ先の情報が発表になっていないはずなのですが主演舞台のNARUTOのDVDやアマゾンの配信ドラマ(こちらも主演!!テニスの話!)ベイビー・ステップなどなどございますのでもし良ければ!!(だから誰)

では本題に。私が(ライビュだけど)観たことのある風の話も交えながら書いていきたいと思います。

 

***

まずは全体の印象から。月の制作発表で、”若気の至り”というのがキーワードとして強調されていた。インタビュー等から、その言葉がピタッとフィットした出演者さんたちも多かったような印象を受けた。実際私も観劇後、若気の至りという表現にすごく納得した。初ドクロである風のイメージが強かったのだけど、月は登場人物の一人一人が(いい意味で)より脆い感じがした。私なりに月どくろを表すキーワードとしてもう一つ挙げたいのがこの人間らしい”脆さ”だ。若いからこその脆さが出ているのがすごく好き。でもその分年長のキャストが締めるところは締めていたのがまた素敵だった。風との違いだけでなく、上弦と下弦の2つの月も、まるで違って面白かった!同じ脚本なのに演じる人が変わるとこうも違いが出るのかあ、と改めて実感。風と上下月しか観ていないので何とも言えないところはあるのだけれど、下弦は髑髏城の「王道」を行っているような気がした、流石!!上弦は王道ではないかもしれないけど、個人的にはすっごく好きでした!!!一人一人のキャストさんによる役の解釈が(いい意味で)独特なのでは? おそらく(特に上弦は)年齢的にそもそもキャスティングが王道じゃないから、それぞれの役者さんが「自分がこの役を演じる意味って何だろう?自分にしか演じられない○○ってどんな風だろう?」と考えた結果なのかなあ、なんて思う。

 

 

では捨霧の関係性について語る前に、捨・霧それぞれの考察を。

まずは捨之介。最初に観た松山捨は、とても強い人のイメージだった。人の弱さ脆さ儚さ醜さを、命の重さを知っている。その上で飄々と生きている。自分の宿命を悟っていて、立ち向かわねばならぬとわかっていて関東に来た。捨に対してそんなイメージを持っていたからなのか、宮野捨も力強いイメージが。宮野さんご本人が持つ明るさが反映されている様で、こちらも飄々と生きている感じがある。人生の辛苦を知った上で明るく振る舞っている人だろう、っていうのもなんとなくにじみ出てた。松山捨よりは脆いイメージ。でも生命力というか、力強さみたいなものも併せ持っていた捨だった。太陽みたいだったなあ。 一方福士捨は、私の中のこのイメージを覆してきた。上弦キャストの中で実年齢がかなり下、っていうのも大きいんだろうな。捨という人物には、一人で「どん!」と立ってるイメージがあったけど、福捨は違う。一見、どん!と一人で立っているように見えるけど、実際はボロボロで足下もふらふらしてる。本当は他のどの捨もふらふらしていたのかもしれないけど、その傷を隠し耐えられるくらいには強かった。でも福捨は(自分では隠せてると思っていても)隠し通し切れていない脆さがある。その若さ故の脆さがいいなあって。なんか人間らしくて。今までの捨は自分が過去にとらわれ続けていることに気付いていてそれを断ち切ろうとしてるけど、福捨は自分は過去を断ち切ったつもりでその上で天魔王を止めよう救おうとしてる感じ。
宮野捨は捨の持つ陽の部分が上手くて、福士捨は陰の部分が上手いと感じた(どちらも十分上手いんだけど特にの話)。どっちの捨も素敵だったなあ。主人公気質。

 

次に霧丸。今回、月の大きな特徴として挙げられる、沙霧→霧丸、つまり女→男への変更ってことでどうなるかなあと思ってたけど、私は好きだった!正直、風を観たときは捨と沙の最終的な関係が腑に落ちてなくて…。風は蘭と太夫の恋愛関係がはっきりとしている分そこが濃くて胸に突き刺さったからか、捨沙の恋愛要素にどこか違和感を感じた。恋愛よりも戦友としての絆の方が強いような気もしていて。だから今回月ではすぱっと信頼関係・絆にまとまっていて私は好きだったし、しっくりきた。でも今回は蘭と太夫の関係性もザ・恋愛って感じとも違ったから恋愛要素は少なめだったのかな。その分ひたむきな兵庫の恋心が光っていたのでは?と思いました。あと、わざわざ沙霧を男性に変更してとっっっっっっても動ける二人をキャスティングしてきたからもうそれは動くんだろうな、とは思ってたけどアクション二人とも素晴らしかった!!!アクションと言えば早乙女さんの殺陣半端なかったな・・・いや殺陣以外も全部全部圧倒された。ちょっと待て今回天魔王の話をする気はないんだ……!あなたについて書き出すと乗っ取られかねないから……ちょっと蘭もみんなも出てこないで今回は捨霧について書くんだ!!!(荒い息)・・・お見苦しいところを失礼しました。で、霧丸の話に戻るんですけど、また上下で大きく違って面白かった。上弦の平間霧は基本的に人懐っこく情に厚い霧丸像。下弦の松岡霧はつんつんしてて反抗期真っ盛りの霧丸像。風の岸井沙霧のイメージと近かったのは松岡霧だけど、平間くんが捉えて表現した霧丸はすごくなるほどな!と思わされて、私が風で沙霧に感じた(前述の)違和感を解消させてくれたような気がしたしすごく好きだった(贔屓目)。どの霧も三者三様で素敵だったんだけどね。

では下弦の松岡霧についてまずは触れます。つんつんしてたなあ。仲間を皆殺しにされたことがもうとてつもないトラウマになってるんだろうな、と。(後述するけど)平間霧が人を信じたくても信じられない、っていう葛藤があるのに対して、松岡霧は人を信じることが完全に怖くなってしまった。今どうしたら良いのかもわからないし、何も誰も信じられないし、ただ天への復讐心はすごく強くて、天が憎いっていう衝動だけで動いているような。子どもだからこそ。自分一人でどうにかするんだ!って思ってるし、どうにかなるとも思い込んでる。捨をはじめ周りの人を信じ始めるのにもだいぶ時間かかった気がする。涙を他人に見せるのも嫌!みたいな時期。(あ、それに対して平間霧はわんわん泣いてましたねかわいい。)とっても鋭くて刺々しくて、でもその鋭さが同時に弱さ脆さの証拠でもあるような感じ。武器庫で宮野捨の話を聞いた時に、ずっと張ってた気持ちが頑なな心が溶けたんだろうなと思った。それからは勇敢だったねきりちゃん!

ほんと全然違ったんだよなあ二人の霧丸。まあ中の人の実年齢が8歳くらい違うんでね、そりゃ違うわって話なんですけど。子どもから大人になる途中段階ではあるんだけど、平間霧が大人寄り(17~21歳)で松岡霧は子ども寄り(13~16歳)というイメージ。めちゃ面白い。

 

そして上弦の平間霧について。ここから本題の中の本題に入っていきます(やっと)。全然つんつんしてないんだよね、鋭さはもちろんある上でだけど。熊木衆の仲間を殺されたっていう絶望・憎しみ・苦しさ…。そこから天への復讐心で動いてるけど、その衝動に駆られた行動が本当は間違っている(というか自分のすべきことではない)ってどこかでわかってるところもきっとあって。迷いや葛藤もすごく強いイメージ。元々は明るくて、やんちゃで、人が好きで、人を信じるところから入るタイプ。だから警戒してるのに色里って聞いたらヘラヘラしちゃうし、二郎衛門さんにもあっさり名前名乗って打ち解けちゃうし。これからは一人で立たなきゃ、敵とらなきゃ、って思いながらもまだ子どもでいたくて葛藤しているような。周りの人のことも本当は信じたいけど天に裏切られて人を信じるのが怖くなって、それでも捨や無界屋の人の温かさに触れて周りを信じようと思った。けどそこで今度は髑髏城で蘭に目の前で裏切られて。(ここでは捨にも裏切られたと思ってるし。)「もう誰も信じない!」と絶望した瞬間のあの笑い声ですよ!笑ってない公演もあるかもだけど!あの蘭が天に堕ちる場面、実は別の意味で霧丸も闇に堕ちる場面なのかも。すぐ戻ってくるけど。そこで戻ってくることができるのが霧丸の強さであり、人を殺すことが求められなかった人である証かな、と。蘭と天にはない強さ。霧丸は武器庫で捨の話を聞いて、捨を信じることに決めた。むしろ、ごめん、くらい思ってそう。ありがとう、とも。”命”をかけてまで自分を助けに来てくれて、そして天を止めようとしてる捨を心から信じたし、大切だと思った。そして昨日への刃を捨てようと決めた。めちゃくちゃ迷ってもがいた上で、ここで完全に明日を向いたきりちゃんは強い。さすが熊木の長。そして大きく変わった霧丸を見て、「目が変わった」っていう兵庫のアニキがまた最高すぎて・・・。武器庫以降の霧丸はすごく頼もしくて(精神的に)強くて。それがどんどん(精神的に)追い詰められていく捨と対になってて最高なんですけどそれについては後述↓↓。とりあえず霧丸についてまとめちゃう。ラストの方、家康が捨を見逃してくれてから去って行くまでの間、平間霧は何度も何度も深く頭を下げていて。感謝を忘れない山の民なんだなあと。そして元々の人懐っこいきりちゃんに戻れたんだなあと改めて感じられる。少しの間だけどふれあった家康のことを信じる気持ちがあったからこそあの行動ができたんじゃないかな(平間霧に関しては特に)。私の中のそもそもの霧丸(沙霧)の”つんつんして芯はあるけど生意気なところもある”というイメージを良い意味で壊してくれて、”やんちゃ”という一番大事なところは強くありつつも、人を愛し愛される霧丸を魅せてくれたなあ、という感じ。私の好みとして、”登場人物に人間味を感じられて愛せるか”っていうところがすごく大事みたいで。そこを感じられたのが良かったんだろうな。せっかくだから中の人平間壮一くんについて少し触れておくけど、彼自身も周りの人を愛することができるし、感謝を忘れない人です。そんな平間くんだからこそ創れた霧丸だったと思います。

 

さあようやく上弦の捨霧もいいぞ!っていう話に辿りつきました…。さっき全体の感想の方にも書いたんですけど、やっぱり髑髏城という作品の王道を行くのはいろんな意味で下弦なんだろうと思っていて。それは捨霧の関係性にも言えることかなあと。この二人の関係性は物語を決めるかなり大きなところなので、身長差・年齢差も師弟のような関係性も、下弦の捨霧は理想的だと思う。少年ジャンプ。まあこれに対して上弦は、そもそも実年齢がね平間くんの方が4歳くらい上なんですよ。初めて知ったそこのあなた!平間くんかわいすぎてびっくりでしょ!!!パンフによるとそんな年齢問題にはご本人も悩んだみたいでした。さてどうなるのかな、とワクワクしてましたが、私はすっっごく好きでした!!!!!!!!(贔屓目)両方観て、宮野捨には松岡霧だし福士捨には平間霧だな、とすごく思います。そして福士捨と平間霧について書いていくんですけども、福捨が若く脆い分、最終的に平間霧が捨を支えている感じがすごく好きで。風や下弦は(おそらくそれ以外のものも)捨が霧を救って導いて、というのがすごく強かった。けど上弦は捨が、っていうよりはお互いに支え合ってる、というところがより強くなっているように感じた。福捨はすごく脆くて。自分の生きてきた世界や価値観しか知らない。それはどの人もそうなんだけど、特に福捨は他の人にはまた別の世界があることを知らなかった。私は天が死んでしまった後の福士捨がとても印象に残っていて。捨が崩れていく感じが強かった。きっと捨は本当に天を救いたいと思ってたし救えるとも思ってたし、それが正しいことだと信じてた。そして自分が救ってあげなきゃとも思ってた。でも天は自ら死を選んでしまった。これはたぶん捨にとって自分を否定されるのと同じことだったと思う。天にとって捨が自分を殺さず助けようとしたことみたいに。信長が死んで捨は、「もう俺(たち)は自由になったから、自分の人生を生きるんだ」ってことを大事にして生きていて、むしろそれに固執しすぎてがんじがらめになってしまっていたくらいだったんじゃないかなと。本当は何一つ捨てられていないのに全てを捨てた気になって。だから(あんなオラオラな)蘭が”蘭兵衛”となっていたことを良としたし、ずっと蘭兵衛でいてほしかった。そして天にはもう自由だと気付かせてあげたかった。天にとって信長の亡霊を追うのが全てだったように、捨にとっては信長の亡霊を切り離すことが全てだった。だから天蘭が最後まで信長の亡霊を追いかけ続けていたのを見て、自分も結局はいつまでも信長の亡霊を切り離すことなんてできないんだ、そもそも自分は切り離せているつもりでいたけど、何一つ断ち切れていなかったんだ、ということに気がついてしまう。自分の脆さに気が付き認めてしまった。そして後を追おうと思った。きっとあの時、捨の中には何も残っていなかったし、今まで捨ててきたと思っていた全てが残ってもいた。あの福士捨を引き戻せたのは平間霧だからだと思う。平間霧は捨が消えそうになっているのに気がついたし、今度は自分が救おうと思った。それができたのは、平間霧が本当の意味で明日を向くこと・自分の足で強く立つことができていたからこそなのかな、と。福士捨が他の捨よりも若く弱く脆い分、平間霧が強く踏ん張っていてくれた。他の捨は一人で全てを背負っていてそれを周りに感じさせないくらい強いんだけど、少しずつ周りにもわかるくらいには重たい荷物だし、それに加え捨が今までに救ってきた積み重ねのお返しみたいなもので支えられる感じ。だけど、福士捨は荷物があまりにも重たいから背負い切れなくなりそうになって、その瞬間、霧丸が捨の体を力強く支えてくれて、太夫や兵庫、みんなも一緒に背負って捨を支えた、って感じがした。これは本当に私個人の好みだけど、私は上弦のこの形が人間らしくて好きでした。福士くんは若く、福士くんより平間くんが年上だったからこそできた関係性なのかなと思う。下弦の師弟、というイメージに対して兄弟・戦友という、より対等なイメージ。

 

今までの捨はもっと強い人だったのかもしれない。でも、人生の酸いも甘いも人間の弱さ醜さも知り尽くしてる人にはない”脆さという良さ”があり、それを支える大人な霧丸。大人と言ってもこちらもまだまだ脆い。私は人って基本的に弱くて脆いものだと思ってるし、そういった意味で福士捨と平間霧には特に人間味を感じた。弱い上で脆い上でお互いに背中預けて支え合うの最高だなって思います。私はここの関係性がすごく好きなので、わかってくれる人いるといいなあ。ぜひ他の方の考察を聞きたい。どんな形でもいいのでお待ちしてます!

当たると信じてるライビュに行ったらまた違った感情もわいてくるかもしれないので(なんせ脳内補完ばかりしてる)そのときはまた書きます。